2024年度版 最安ホルン [J・マイケル]編
ホルンは高価な楽器です。
ヤマハでエントリークラスのフルダブルは48万からになります。
実は、ヤマハであってもエントリークラスは海外製です。メイドイン インドネシアだったかな。
なぜならエントリークラスは製造に手間隙がかかる割に企業努力で価格が抑えられているため儲かりません。ヤマハのエントリークラスは低価格なのにクォリティは高い楽器と言えます。
48万と50万近い定価になっていますが、物価上昇で定価が上がってしまい、お得感が薄れています。
鹿児島市にある小さな管楽器専門店です。
金管楽器ホルン、トランペット 、トロンボーンなどを得意としています。
各種楽器修理、販売。特に金管楽器(ホルン、トランペット、トロンボーンを得意としております。)
お店は小さく少し入りにくい雰囲気ですが、お気軽にお声掛けしてください。フルート、ホルン受講生募集中。
この記事では、最安ホルンの紹介と果たして使えるのか?を検証しています。
この記事を読んで分かることは安価なホルンは使用目的を間違わなければ意外と使えるということ。また安価なホルンでも軽くて使いやすいメーカーも存在するということ。
J・マイケル
マックコーポレーション J・マイケルホルン。
最近、修理でよく見かけるホルンですね。
- <安価な楽器の共通点>
- 楽器が重い
- 重いので金属も厚く鳴りにくい
- パーツの完成度が低い
- 個体差がありすぎる
- 純正パーツが小売店にない
上記の内容が、このホルンで感じたことです。
ただしJ・マイケルフルダブルホルンの価格はAmazonで122,000円税込です。ものすごく安いフルダブルホルンになります。
この価格帯のホルンに有名メーカーのエントリークラス、ミドルクラスの吹奏感や音程を求めるのはNGです。あくまで最安フルダブルホルンとして作られている楽器なので、この楽器に何かを求めることはやめておいた方がいいです。
最安ホルン買わない方がいいのか?
使用目的によります。
まず学校楽器には不向きです。音色云々より耐久性に難があります。またパーツ供給、耐久性に問題もありますので、学校で使うには心許ない楽器です。
購入に向いている例
- ホルンを初めてみたいが続かないかもしれない。
- 楽器の取り扱いに不安がある小学校低学年
- とりあえず50万でフルダブルを4本揃えたい
- 落下などホルンが破損したが予算がない場合
- ディスプレイ用
これ以外、思いつかないです。
小学生は楽器の取り扱いに不安があるので、自分が吹く楽器を丁寧に扱えるようになるまでの一時的な楽器としてならアリです。
ただし、楽器が重いため体が出来ていない小学生には取り回しが難しいかもしれません。
本来、小学生にはキンダーホルンという小さなホルンがベストです。
ただ、日本で普及している学校用楽器のパイオニア「ヤマハ」が扱っていないので普及率が0に近いです。
取り扱いがない=カタログ記載ないので、キンダーホルンを知っている人が少なく日本の小学校ではBbシングルを導入している学校がほとんどではないでしょうか。
でも通常のホルンだと本体サイズが大きく重いためベルを太腿においてしまい、どうしても不自然な姿勢になってしまいます。
あのヤマハのBbシングルですら小学生には重く太ももにベルを置いてしまいマウスパイプの角度がトランペットのようになっていますよね。
J・マイケル ロータリーなど
別にロータリーは汚れてもないです。でも中蓋が手前で止まってロータリーが回りません。でも中蓋を押し込めばロータリーの動作は問題なくスムーズに回ります。謎です。研磨するとガタガタになりそうなくらい差があるので、このままの状態でロータリーを入れましたが...
この楽器は1番ロータリーだけ、このような状態でした。2番3番は普通ですね。
レバー関係
この手の最安値ホルンの共通点はレバーの材質に強度がないことが問題です。
3番レバーが落ちています。
レバー自体が曲がっているのですが元に戻そうとすると折れそうです。
購入して、ほぼほぼ使っていない楽器ですがレバーが反っています。
この画像部分
レバーとジョイントを接続している部分の強度が心許ないため少しの力で簡単に曲がってしまいます。曲がってしまうとボールジョイントの角度も変わるためロータリーも動かなくなります。
音色、鳴りについて
音色については、とにかく鳴らない。
金属の材質なのか厚いのかわかりませんが鳴らない。
楽器も重い=管の厚さの問題でしょう。
パーツに関してはマックコーポレーションで取り扱いはしています。ただし、管楽器専門店でマイケルを販売しているショップはないと思いますので純正パーツは在庫にないと思います。
12万のフルダブルですから、鳴る鳴らない、音程が良い悪いを40万円台のエントリーと比べる方がおかしな話です。ただし、初心者で楽器が鳴るという感覚は、とても大事です。この楽器で、その感覚や正確な音程を掴むことは厳しいでしょう。
まとめ
エントリークラスでも、破格の値段のホルンはホルンを体感したいと言うのであれば購入しても良いかもしれません。プラスティックのホルンもありますが、あちらは楽器を持っている人が扱う分には「おもちゃ」として楽しいです。
ですが初心者の人が、あの楽器を扱うとすると耐久性に難がありますので、まだマイケルの方が長持ちします。
マイケルは本格的にホルンを始めたい人の最初の楽器としてはNGでしょう。
致命的なのが重いこと、鳴らないこと、音程が悪いことです。
楽器が鳴ってくれる感覚が掴みにくいため、自分が悪いか楽器が悪いか分からない初心者さんには、上達するために必要な部分が削ぎ落とされている作りなので手を出すのは避けた方がいいでしょう。
いろいろ書いていますがAmazonで12万のホルンです。
ヤマハ567Dエントリークラスでも48万ですから破格の安さです。
音色、音程など求めて購入することは避けた方がいいですが、ホルンで遊ぶとか経験してみたいであれば購入してもいいかと思います。