【徹底比較】ハンスホイヤー G10 (ガイヤー) vs. アレキサンダー 503 (ガイヤー) フレンチホルンを並べてチェック!
アレキサンダーホルン503は買いなのか?
多分、現在の価格帯だと503を新品で購入する人は、ほぼいないでしょうね。
2025年11月現在103MBLが定価2,255,000円。
その差407,000円
決して安くない価格差なのですが503はミドルクラスの楽器です。アレキサンダーで同じガイヤータイプであれば1103という上位機種があるので、価格差が40万でも、あえて503を買うことはないでし
フレンチホルン奏者の皆さん、そして「ガイヤー」システムを愛する皆さま、こんにちは!
新しい相棒を探しているとき、あるいは単純に楽器への探究心がうずいたとき、誰もが一度は頭を悩ませるのがメーカーとモデルの選択ではないでしょうか。
特に、多くの奏者から高い評価を受け、世界中のオーケストラで愛用されているアレキサンダーホルンと高いコストパフォーマンスと演奏性を誇るハンスホイヤー G10は同じガイヤーシステムですが、管の巻きなど各メーカーでどう違うのか?興味がありませんか?

鹿児島市にある小さな管楽器専門店です。
金管楽器ホルン、トランペット 、トロンボーンなどを得意としています。
各種楽器修理、販売。特に金管楽器(ホルン、トランペット、トロンボーンを得意としております。)
お店は小さく少し入りにくい雰囲気ですが、お気軽にお声掛けしてください。フルート、ホルン受講生募集中。
今回は、この2本を手元に並べ、細部までガン見してチェックしました!
音色の違い、抵抗感、操作性、そして作り込みのこだわりまで、忖度なしの正直レビューをお届けします。
どちらがあなたの求める「理想の響き」に近いのか?ぜひ最後までご覧ください。
アレキサンダーホルン503

アレキサンダーホルン503 ガイヤータイプ
定価1,848,000円(税込)
モデル1103と同様の基本設計を持ち、 1995年、2005年と2度に渡り栄えあるドイツ楽器賞を受賞したモデル。 吹き心地が良く、パワフルな音色も得られ易い アレキサンダーホルンの入門モデルとして最適なモデルです。 イエローブラスのみでの製造となります。
*公式アレキサンダーHP アレキサンダーホルン503
フレンチホルンの価格は、ここ10年で大きく変動しています。特に、ドイツ製ハイエンドモデルの価格上昇は著しいものがあります。
1. 現在の価格(2025年時点)
現在、アレキサンダーのフラッグシップモデル「103MBL」の定価は**1,848,000円(税込)**です。 比較対象の「503」についても、この価格帯の変動は同様に見られます。
| モデル名 | 現在の定価(2025年) |
| アレキサンダー 103MBL | ¥1,848,000(税込) |
| ハンスホイヤー G10 | ¥1,221,000 |
2. 10年前との比較
約10年前の価格と比べると、その差は歴然です。
- 当時のアレキサンダーの主力モデル「103MBL」の定価は、¥1,310,000でした。
- 当時のハンスホイヤーのモデル(例:801)は、定価が50万円台あたりだったと記憶しています。
3. 過去の驚異的なコストパフォーマンス
個人的な体験に基づくと、私が20代の頃、アレキサンダー 503の定価は約55万円前後でした。当時のハンスホイヤーの同クラス(例:801)が30万円〜40万円台だったことを踏まえると、503はミドルクラスとしてはやや高額な部類に入りました。
しかし、その品質を考えると、この価格設定は破格でした。
当時、50万円台という価格で、このクオリティのホルンが手に入ると、503は「コストパフォーマンスが高すぎるホルン」として、非常に魅力的な選択肢だったと言えるでしょう。
アレキサンダーホルン503は買いなのか?
1. 新品の 503 は現実的ではない
結論から申し上げると、現在の価格帯で新品の「アレキサンダー 503」を選択する方は、ほぼいないでしょう。
現在(2025年11月時点)のアレキサンダーの主力機種「103MBL」の定価は2,255,000円(税込)です。これに対して 503 が現行で販売されていると仮定した場合、仮に 103MBL との価格差が 40万円程度あったとしても、503 はあくまでミドルクラスの楽器です。
アレキサンダーで同じガイヤータイプを選ぶのであれば、差額を考慮しても、より上位機種である「1103」を選択するのが自然な流れとなります。この価格帯では、わざわざミドルクラスの 503 を新品で購入するメリットはほとんど見出せません。
(補足: 実際、現行の国内市場で 503 の新品を目にすることはなく、日本への輸入は限定的、あるいは終了している可能性が高いと考えられます。)
2. 中古市場でこそ魅力が光る
しかしながら、中古市場に目を向けると、503 は一気に魅力的な楽器へと変わります。
非常に状態の良い中古品で60万〜70万円程度が相場ではないでしょうか。この価格帯であれば、過去の驚異的なコストパフォーマンスを再評価でき、購入を検討する価値が出てきます。
3. 買い替え計画とコストパフォーマンスの考察
ホルンの買い替えを前提に計画を立てる場合、503 に現在の新品想定価格(約180万円)を投じるのは高すぎます。
- より賢明な選択肢:
- 予算を抑える: ハンスホイヤー 801 や G10、またはブリッツ、イーストマンなどのコストパフォーマンスに優れたエントリー・ミドルクラス(50万〜90万円前後)を選ぶ。
- 最終的なゴールへ: いずれはアレキサンダー103,1103、シュミットの最高峰を購入するための資金を温存する。
買い替え前提でなくとも、現行の 503 の価格設定は、同価格帯のライバル機種と比べてコストパフォーマンスが劣ります。 G10や801といったハンスホイヤーのモデルの方が、価格に対して得られる品質や演奏性は高いと言えるでしょう。
結論として、503は「中古で適正価格であれば非常に魅力的な選択肢」となりますが、「現在の新品価格では、他の上位機種や高コスパなライバル機種に軍配が上がる」というのが現状の評価です。
アレキサンダーホルン503とハンスホイヤーG10の違いを見てみよう!

パッと見た感じG10の方が503より大きいですよね!
記事書いている時に限ってヤマハ567がないので比べられませんが、多分G10の方が大きいと思います。
管の巻も違いますよね!
503はギャラックスケースには入らない?

ギャラックス ウルトラセミハードケース(通常サイズ)に、アレキサンダー ホルン503を収納してみました。
正直にお伝えすると、「きついけれど入る」というのが最終的な結論です。
ただし、楽器のフィット感を高めるにはケース内部の加工(修正)が必須**となります。
しかし、ケースを加工する場合、内張などをきれいに仕上げるのは非常に難しく、見た目が悪くなりがちです。せっかくの愛機なのに、ケースを開けるたびにモチベーションが下がってしまうかもしれません。
ギャラックスからは、同じ価格帯でラージタイプのケースも発売されています。
アレキサンダー503のような巻が大きい楽器をお持ちの方は、必ずご購入前に楽器店でご相談いただき、実際に試されること**を強くお勧めします。 ---
参考URL グローバルカタログ
ハンスホイヤーホルンG10は入らない。

全然大きいですね!
加工云々で入るようなサイズではありません。
手元にギャラックスウルトラセミハードケースラージがないので確認できませんが、ここまで大きいとケースがラージサイズでも厳しいのではないでしょうか...
でもハンスホイヤーの場合、リュックタイプのセミハードケースが標準で付いているので購入する必要はありません。
もし純正ケースが壊れ別にケースを買うことになった場合、MBケースになると思います。
MBホルンケース ハイコンパクト カタログ
吹き比べるとどうなの?
まず巻が違います。
G 10は緩やかで大きく作られています。503も大きめですがG 10ほどではありません。


同じガイヤーでも全然違います。
クルスペタイプも各メーカーで巻が違いますよね。
見る限りG10は巻が緩やかですよね。
そして楽器の大きさも1cmほど大きいですかね。
じゃ〜どっちがいいのか?って言われると...
全然参考にならない答えですが「好みですね!」
ただ503は新品で買うことが難しくなった楽器ですのでハンスホイヤー801とG10で考察してみます。
G10と801


巻が違うのわかりますか?
ハンスホイヤーのガイヤースタイル、「801」と「G10」を比較してみましょう。
両者は同じガイヤータイプでありながら、設計思想や吹奏感に大きな違いがあります。
- 巻き(デザイン)の比較 見た目からもその違いは明らかです。 *
- アレキサンダー503と同じような、比較的コンパクトな巻き。
- G10本体も大きく、巻も緩やかでゆったりとしています。801と比べると、管が「スカスカ」に感じるほど余裕のある印象を受けるでしょう。
* ガイヤータイプは、クルスペタイプと異なり管が複雑に絡み合っていないため、一般的に息の通りがスムーズで豊かな音色が得られるのが特徴です。
しかし、同じガイヤータイプでも、この巻きの違いで吹奏感は大きく変わります。
モデルの歴史と位置付け
現在でこそG10は人気のモデルですが、その歴史には変遷があります。
記憶が朧げですが今から約12年前 801、6801シリーズが人気を牽引。K10が最上位機種であり、売れ筋は801シリーズ一択という印象でした。
当時アレキサンダ−103が130万あたりでしたので100万前後の価格帯のホルンが選択肢に入りにくい状況でした。
今思えば、当時のアレキサンダー503の価格は、かなり魅力的でコスパが高いモデルだったと思います。
G10発売後 G10(当時約70万円)が好調となり、「801からもう少し頑張ってG10を購入する」という選択肢が生まれました。
各モデルの特徴
ハンスホイヤー ホルン 801(エントリー~中級クラス) ハンスホイヤーの中で最も販売実績のあるモデルです。 物価高騰前は40万円台後半から購入可能で、この価格帯のホルンとしては群を抜いたパフォーマンスの高さを誇りました。
特徴はコントロールのしやすさと安定感が魅力。エントリークラスでありながら、クオリティの高い音色が得られます。
ハンスホイヤー ホルン G10(プロフェッショナルクラス) ガイヤースタイルのプロフェッショナル向けダブルホルンです。 *開発コンセプト 1950年代に製造された名機がもつ響きをイメージして作られています。
特徴は巻きが大きく設計されているため、豊かな音色とスムーズな抵抗感が最大の売りです。
試奏による比較
お客様の反応
お客様の試奏や私自身が実際に吹いた感触から、G10の方が豊かな音色と艶があるという結論に至ります。 お客様に801とG10の2本を吹き比べてもらうと、最終的にG10を選ばれることがほとんどです。*楽器なので好みはあるため絶対G10とはなりません。
特に、以下のような奏者にG10はおすすめです。
- クルスペタイプの抵抗感が苦手な方。
- 週末しか吹かない一般の奏者(アマチュアの方)。*特にアレキサンダーは比較的抵抗感が強いため、毎日練習できない方には負担に感じられる可能性があります。G10は、豊かな音色とスムーズな吹奏感を両立しており、**無理なく音楽を楽しめるモデルと言えるでしょう。
まとめ
503の180万は103が220万近辺で発売されていることを考えると手が出しにくいモデルである。
同じガイヤータイプであればハンスホイヤー801またはG10を購入した方がコストパフォーマンスが高くお財布に優しいと思います。
アレキサンダー、シュミット、リコキューンなど買い替え前提であれば、ブリッツ、イーストマンがコスパが高いです。*10月現在ヤマハホルンの値上がりで最安はブリッツになります。



