Throja[トローヤ]トロンボーンについて
今回は、Throja(トローヤ)のトロンボーンをご紹介いたします。
偶然にも、お店にはThroja2(ベル220mm)、Throja2(ベル230mm)、そしてThroja3(ベル230mm)が入荷しましたので、詳細なデータを収集しつつ記事を執筆しています。
正直申し上げますと、Throjaトロンボーンに関する詳細な情報が非常に乏しいため、Webでの情報収集に限りがあり理解するのが難しい状況です。
鹿児島市にある小さな管楽器専門店です。
金管楽器ホルン、トランペット 、トロンボーンなどを得意としています。
各種楽器修理、販売。特に金管楽器(ホルン、トランペット、トロンボーンを得意としております。)
お店は小さく少し入りにくい雰囲気ですが、お気軽にお声掛けしてください。フルート、ホルン受講生募集中。
この記事では、実際に入荷したトローヤトロンボーの写真を掲載し、ベルのサイズなどの詳細なデータを書いていきます。
目次
Throja[トローヤ]トロンボーン
トローヤについて
Olaf Ott(オラフ・オット)
ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 首席トロンボーン奏者
使用楽器 Throja 3
トローヤ2
スペック
ベルサイズ 220mm or 230mm
デュアルボアスライド 12,85 mm & 13,28 mm
ロータリーボアサイズ 14,00 mm
*マウスパイプは外れますがマウスパイプは作ってないそうです!
2と3の画像を見てください。
F管の巻きが異なりますね。トローヤ3には主管に支柱もあります。
トローヤ2はデュアルボアスライド(12.85 mm & 13.28 mm)で、サイズも3の(13.28 mm & 13.85 mm)に比べて小さいです。
さらに、ロータリーのボアもトローヤ2が14.00mm、トローヤ3が14.50mmで、2の方が小さいです。
音色を比較すると、トローヤ2の方がよりタイトな感じがします。
実際に吹いてみるとトローヤ2の方がドイツ管特有の響きです。
ドイツ管
- マウスピースが細管
- スライドが長く本体は短め
- スライドポジションが変わってくる
- ベルが薄い
- クランツがついている
- 美しい
- ベルサイズが大きい220〜230
パッと思いつくのは、こんな感じです。
ドイツ仕様はスライドが長く本体が短く、マウスピースが細管というイメージがあります。
ですが、最近のドイツ製のトロンボーンも殆んどアメリカ製のトロンボーンと同じスライド位置で演奏できますし、ベルの薄さも昔ほどではないのでクランツの幅も狭くなっています。
このトローヤは太管でスライドポジションも違和感がないです。
ドイツ仕様のメーカー
レッチェ、クロマトなどが有名ですね。
お手頃価格でB&S マイスタージンガーもドイツよりの楽器です。
この手の楽器購入は必ず知識がある楽器店で説明を受け購入してくださいね。見てくれが美しいと言うだけで購入するのはブルジョアな方だけです。バック、ヤマハとは全然違います。ベルの厚さも薄いですしクランツという響き止めもベルについています。
中高校生は手を出さない方がいいでしょう。
ただし大人になって、お金握り締め試奏に行っても良い楽器です。もしかすると自分のイメージと合う音色かもしれませんよ。逆に全くダメな人もいますし。
自分がイメージする音色であれば、楽器を吹くのも楽しくなり末長く使えると思います。
トローヤ2 ベルサイズ220mm
トローヤ2のベルサイズは220mmと230mmがあります。
そしてトローヤはベルを交換可能な楽器です。
トローヤ2を購入すると、オプションで220mm、230mm、ノーラッカーなどの仕様を別で発注することも可能です。ただし、納期が非常にかかることがあります。この種の楽器は大量生産されるものではなく、すべて手作業で生産されるため、お待ちいただく必要があります。
さて、トローヤ2(ベルサイズ220mm)は、トローヤ3に比べてボアサイズも小さいですね。したがって、ベルサイズを220mmにすると、よりタイトな音色になります。
「ギュ」という濃縮された音色と言えるでしょうか…そのような感じです。
これは好みの問題であり、良し悪しではありません。
レッチェは細管で、ベルサイズ220mmですね。
一方、トローヤは太管で、ベルサイズ220mmですので、吹奏感は少し異なります。
個人的にトローヤ2ベルサイズ230mmの方が好みですね。
220と比べると倍音が増す感じです。
トローヤ3
ベルサイズ | 230 mm | |
デュアルボアスライド | 13,28 mm & 13,85 mm | |
ロータリーボアサイズ | 14,50 mm |
トローヤ2のデーターと比べて見ます。
ベルサイズ | 230 mm oder 220 mm | |
デュアルボアスライド | 12,85 mm & 13,28 mm | |
ロータリーボア | 14,00 mm |
いかがですか?
トローヤ3の特徴
olaf ott
Throja 3
Bell No lacquer
トローヤ3はアメリカンに近い響きです。
トローヤ2の「ギュッ」と濃縮された感じではなく、トローヤ3は倍音豊かな広がりがある音色と言った方が良いのかもしれません。
実際に2、3の試奏を聴いた感じでは3は倍音豊かでシンフォニックな感じですね。
ただし、2の方が「私ドイツ管ですが、なにか?」的な強い主張があります。
もちろん3もドイツ仕様であることは間違い無いです。ベル厚、クランツなどもドイツのそれです。
これ2、3両方持っていると使い分けて面白いのかもしれませんが、如何せん高いですからね(笑)
でもアレキサンダーホルンより安い楽器ですし、トローヤが値上がり前の価格なら2本購入してもアレキサンダー1本には及ばないです。
まとめ
トローヤ2とトローヤ3は、その造りも素晴らしいです。またドイツ仕様の楽器を購入する際には、専門的な知識を持つ楽器店での購入をお勧めします。
見た目がカッコイイからと言って購入することは避けてください。
中高生の方は慎重に検討した方が良いです。ただし、プロの奏者と一緒にバック、ヤマハ、ゲッツェンなどのアメリカ仕様の楽器を試奏した上で、自分に合う楽器がドイツ仕様であることを選んだ場合は激しく賛成します。
正直な話し吹奏楽では、ほとんど(99%)がアメリカ仕様の楽器を使用しています。しかし、あえてドイツ仕様を使うことに私は何ら問題はないと思います。ですが、その選択には覚悟と堅い信念が必要です。学生吹奏楽の場合、学校によってはドイツ仕様の楽器が許可されない場合もあります。
しかし、基本的には、自分が持っているイメージとシンクロする楽器を選ぶことが重要です。一流の楽器には「俺はトローヤだ!」「俺はアレキだ!」と主張があります。自分だけの音色を作り上げるために、楽器を吹きこなすことも大切です。